「現地通貨で見れば売上高は前年度に比べ約6%の減少、営業利益は約5%の落ち込みとなり、為替要因が大きい。 プレステ1の台数は欧州で増加したものの、世帯普及率の増加により日本と米国で減少したこと、またハードの価格を一部の地域で戦略的に引き下げたことなどにより減少した。
ただ、ハードの普及台数をかばう背景として、ソフトの売上げが欧米を中心に好調に推移したことなどにより、新フォーマットの導入時期にもかかわらず減少幅は小幅にとどまった。 利益面では、日本において今年3月に発売したプレステ2のフォーマットの立ち上げ費用が発生し、前年度に比べ大幅な落ち込みとなった」ちなみに、為替前提レートは1998年度に1ドル127円だったが、1995年度は111円とかなり円高に設定している。
2000年度(2001年3月期)は、さらに円高の105円に設定しており、依然として業績は今期も厳しいと予想されているが、大幅な円高にならない限り、かなりの業績回復が期待できるのではなかろうか。 ここ1?2年、AVを中心とする主力のエレクトロニクス部門が伸び悩んでいる。
ゲーム部門の事業をより発展させ、ゲーム部門の伸びが順調なうちにエレクトロニクス部門の建て直し、ざらにはネットによる新規事業を短期間で軌道に乗せるといった経営の再構築に直面している。 プレステ2に代表されるゲーム事業は、新たな成長路線の一翼を担う存在となっているのである。

開年度(2000年3月期)における「プレステ1」のハードウェアの生産出荷台数は前年の2160万台に対し、1850万台と310万台ほど減少したものの、累計の出荷台数は7292万台にも達しており、いまや世界的なゲーム機となっている。 最近では「プレステ1」の需要にかげりが出はじめているだけに、新製品「プレステ2」への期待がより膨らんでいるといえよう。
その「プレステ2」は今年3月4日に発売され、3月末時点の累計出荷台数は141万台となり、好調な滑り出しを見せている。 一方、ソフトの出荷(他社制作も含む)はどうかといえば、「プレステ1」は1億9400万本に対して2億本と伸びており、今年3月末時点の累計では6億3000万本と驚異的な数字を達成している。
ハード−台あたり、平均9本弱のソフトの出荷である。 「プレステ2」のソフト出荷の累計は約290万本で、ハード−台あたり2本のソフSのゲーム事業への参入は、1993年u月のS・コンピュータエンタテインメント(SCE)の設立にはじまる。
このSCE設立には、2つの大きな理由がある。 第一に、任天堂とのトラブルである。
当時、任天堂とは大ヒットした「ファミコン」のハードウェアの約刊%を、Sに依存するというパートナー関係にあった。 1988年に販売を計画していたCD-ROM搭載の「スーパーファミコン」開発で両社は提携した。
一方、Sもその製品と互換性のあるゲーム機を製造・販売することでも両社は合意していたという。 しかし突然、任天堂がオランダの大手家電メーカーであるフィリップスとCD-ROM搭載機の開発で、Sと類似した内容の契約をしたことから、今度はSが任天堂との共同開発に難色を示し、この契約は無期延期、事実上のご破算になっている。
トラブルをバネにゲーム事業への参入を果たす冒頭でK木が言っているような複合的なエンターテインメントを楽しむためには、もう少し時間がかかるようだ。 良木健である。
加えて、任天堂のCD-ROM搭載機とSが開発計画しているゲーム機との、ソフトの互換性が許されなくなった。 任天堂にしてみれば、CD-ROM搭載という新しいゲーム市場を開拓するための防衛戦略であったかもしれないが、Sにしてみればメーカーとして痛くプライドを傷つけられたことであろう。
技術者の怒りの矛先は任天堂に向けられ、それがS独自のゲーム機を開発する起爆剤になったと見られている。 第二に、1980年代後半におけるデジタル技術の芽生えである。

このデジタル技術を応用し、ゲーム機を開発しようという人材がSグループにいた。 その代表的な一人がCBSS(現S・ミュージックエンタテインメント)の音楽プロデューサーだった丸山茂雄、もう一人はS情報処理研究所で画像処理やデジタル処理を得意としていた現S・コンピュータエンタテインメント(SCE)社長の久雰になった。
結果として、Sが開発し任天堂に供給するはずのCD-ROM搭載のゲーム機は、フィリップスのOEM(相手先ブランドによる委託生産)により任天堂に供給されること丸山はどこかの景品でもらったファミコンソフトに興味を持ち、K木はデジタル技術の可能性に興味を持ったという。 二人ともデジタル技術やソフトの応用といった、将来なぜプレステ2は魅力的なのか?従来のプレステとプレステ2とでは、どこが違うのだろうか。
まず、「プレステ2」がゲームだけではなく、それ以外のコンテンツも扱うプラットフ130の可能性を探っていた時期だけに意気投合も早かった。 かってSCE社長だった徳永腫久は、1998年当時の取材で語っている。
「この二人が出会わなかったら、今日のSCEは生まれていなかったのではないか。 設立時点で任天堂を意識しなかったといえばうそになるが、あくまでもS独自のゲーム事業を展開していこうと腹を決め、事業戦略を練り上げた。
社名はコンピューターを使ったエンターテインメント(娯楽)をやりたいということでつけた。 社名からすればゲームは一部であって、ゲーム以外に音楽を楽しんだり、映画のコンピューターグラフィックス(CG)化が進んできていることから、こういったことが楽しめるようにするとか、要するにエンターテインメントの世界を広げようという夢を持って事業に取り組んでいる」朋年4月にK木がSCE社長に就任、ゲーム事業におけるビジネスコンセプトは一貫しているように思われる。

オームになっている点である。 つまり映画、音楽、演劇、放送などを融合したまったく新しいエンターテインメントを、プレステ2を通じてユーザーに提供しようとしている。
確かに、プレステ2はそれだけの可能性を秘めたマシンだ。 たとえば、東芝とSCEが共同で開発したCPU(中央演算処理装置)王モーションエンジン」は、従来のプレステの100倍以上の性能を持つという。
そのほか、USB、iLink、PCカードスロットといった多彩なコネクターが標準装備されており、パソコンやデジタル家電などとの接続を可能としている。 プレステ2は単体としても楽しめるが、パソコンやデジタル家電と接続し融合することでソフトやデータのやり取りができ、まったく新しい利用環境が提供されることになる。
次に、携帯電話との融合がはかられている点である。 具体的には、NTTDモとの業務提携をし、すでにネット子会社のプレイステーション・ドットコムにNTTDモが資本参加をしている。
K木はiモードに注目しており、携帯電話から直接プレイステーション・ドットコムに注文ができるようにしたり、携帯電話とプレステ2との情報交換による新たな電子商取引(e‐コマース)、ネットワーク構築といったことなどが検討きれている。 携帯電話に久雰良木は、将来的なビジネスコンセプトを次のように語っている。


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